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Google Ad Grantsで$300/月ほどしか消化できない理由

  • Google Ad Grants

2021年11月現在、Google Ad Grantsの運用や運用代行を始めて3年半が経過しました。
運用開始当初、世にある記事を読み漁ってどこかで見かけたのですが「Google Ad Grantsは世界各国平均で$10,000/月中、$300/月ほどしか消化されていない」とのことです。

今、改めてこれは正解の数字だと思います。
具体的には十分な検索ボリュームがあり、広告の単価予測も$2/Click以内で、尚且つ内容の充実したランディングページであるにも関わらず「そもそも広告の表示回数が伸びない」という事象によって$300/月程度しか消化できないことがあります。
私が携わった案件でもこういった事例はあります。

理由は大きく2点あると考えます。

1. Google Ad Grantsの趣旨に沿っていない

Google Ad Grantsの趣旨をウェブサイトから読み取ると「非営利団体の使命達成のための広告枠の提供」にあります。
非営利活動は主に公益性と共益性に種別されますが、Google for Non-Profitの参加要綱からGoogle Ad Grantsが指す非営利団体は公益を目的とする非営利団体を指しているものと考えられます。

「公益」とは言葉の通り「公共の利益」となりますので「公共の利益を目的とする非営利団体の使命達成」を補助していることとなります。
これを深く理解するためには対義語を知る必要があります。公益の対義語は「私益」です。意味はその言葉の通りです。

つまり私益を目的とする場合にはGoogle Ad Grantsの趣旨に反するためにインプレッション数に制限がかかっている、或いは公開されていない採点基準によって低くスコアリングされているのではないかと推察します。
具体的には以下のような場合にインプレッション数に違いが現れます。

 

【出稿キーワード例1】
伸びないキーワード:生分解性 プラスチック
伸びるキーワード:海洋プラスチック 問題

【出稿キーワード例2】
伸びないキーワード:看護師 募集
伸びるキーワード:看護師 現状 課題

例1の場合には仮に海のマイクロプラスチック問題に取り組む団体で、生分解性プラスチックの普及活動を主の事業としていたとして、「生分解性プラスチック」という言葉でウェブサイトを広告すると私益、所謂「自分たちの活動のための集客キーワード」という考え方になるためにインプレッション数が伸びないと推察できます。
反対に「海洋プラスチック 問題」で広告をした場合には社会問題提起のための公益性のある広告活動となり、インプレッション数が伸びると考えられます。

例2の場合には仮に福祉施設における看護師の募集の際にストレートに「看護師 募集」という言葉でウェブサイトを広告すると「自施設の採用活動のための私益広告活動」という考え方になるためにインプレッション数が伸びないと考えられます。
反対に「看護師 現状 課題」で広告をした場合には看護師の環境改善への問題提起となる公益性のある広告活動となり、インプレッション数が伸びると考えられます。

あまりにも深い日本語理解に信じ難い部分ではありますがそうでなければ説明が付かないほど、この違いで成否が分かれ、品質スコア以外にもGoogle Ad Grantsにだけ割り当たられた「公共性」という採点基準が存在するのではと推察しています。
※ もちろん、100%違いだけで成否が分かれるわけではありません。

2. 内容の評価が低い

これも公共性と密接に関わってくる部分にあるのですがGoogle Ad Grantsで設定したランディングページの成果は「コンバージョン(数・率)」の他「直帰率」「ページ滞在時間」で判断されていると考えられます。
その中でも「ページ滞在時間」が重要で、尚且つ競合となるサイトを比較されていて、相対的に優れているウェブサイトの評価が高いものと思われます。

これはキーワードを固定してランディングページをA/Bテストした場合に明確に結果が分かれます。
以下は、ページ滞在時間の長いページと、インプレッション数の実績値です。

 

/now/のページは平均ページ滞在時間が5分強でインプレッション数が10,470
/economy/のページは平均ページ滞在時間が5分半弱でインプレッション数が5,730
/column/のページは平均ページ滞在時間が3分強でインプレッション数が4,773
/store/のページは平均ページ滞在時間が2分弱でインプレッション数が1,258

 

と、単純にページ滞在時間が長いほど多く広告表示される、という傾向があります。
ここからGoogle Ad Grantsでは「ページ滞在時間」が重要視されていると推察しています。

これも公共の利益が関わっていることと思いますが、相反する行動である


衝動的な購買欲 = ページ滞在時間が短く、コンバージョン率が高い
欲求の検索 = ページ滞在時間が短く、直帰率が低い

を評価せず、


知の探究 = ページ滞在時間が長く、コンバージョン率が低い

が高く評価されていると考えられます。
即ちGoogle Ad Grantsの運用においては「ページ滞在時間」が重要で、これを伸ばすために「公益性」のある情報を深く掘り下げ、数値や図解を含めてユーザーにわかりやすく読み込んでいただく情報提供をしていく姿勢が高く評価されるものと考えられます。

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